第4次産業革命とは
私たちの生活を激変させる技術革新の波

本サイトのCruiseWorldを運営しているのは「株式会社フォースウェーブ(4thWAVE)」という会社です。フォースウェーブというのは直訳すると「4つ目の波」という意味で、これは第四次産業革命を指しています。
では、第4次産業革命とは何でしょうか?この問いへの答えが2017年に内閣府が公表した「日本経済2016ー2017」の中で以下のように説明されています。
”第4次産業革命とは、18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化である第1次産業革命、20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産である第2次産業革命、1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化である第3次産業革命に続く、次のようないくつかのコアとなる技術革新を指す。一つ目はIoT及びビッグデータである。工場の機械の稼働状況から、交通、気象、個人の健康状況まで様々な情報がデータ化され、それらをネットワークでつなげてまとめ、これを解析・利用することで、新たな付加価値が生まれている。 二つ目はAIである。人間がコンピューターに対してあらかじめ分析上注目すべき要素を全て与えなくとも、コンピューター自らが学習し、一定の判断を行うことが可能となっている。加えて、従来のロボット技術も、更に複雑な作業が可能となっているほか、3Dプリンターの発展により、省スペースで複雑な工作物の製造も可能となっている。”

要するに、現在は歴史的に見ても大きな技術革新の渦中であり、目まぐるしい変化の中で私たちは生きているということです。確かに、この10年間で大きく世界が変わったことは実感しやすいのではないでしょうか。
10年で世界はこんなに変化した!
2010年代前半に生きる人たちは、以下のような変化が10年以内に訪れることを想像できたでしょうか?
- 90%を超える人がスマホを持つ
- ドローンが街中を飛び回る
- SNSやオンラインショッピングで個人にカスタマイズされたおすすめが大量に表示される
- マッチングアプリでの恋愛
- スマホ一台で買い物・旅行・仕事などが完結する

現在わたしたちが考える「当たり前」は思ったよりも刹那的で、10年後には全く想像できない世界が広がっている可能性は大いにあります。
このような変化の激しい世界に生きているということを考えると、当たり前の日常を違った視点で見ることができるかもしれません。
第4次産業革命の意義
技術革新は本当に「良いこと」だけ?

さて、第4次産業革命の概要に触れたところで、以下のような質問が浮かび上がってきませんか?
- なぜ第4次産業革命が起こっているのか
- 第4次産業革命によってどんなことが起こっているのか
- 世界はどこに向かっているのか
これらの問いには絶対的な答えが存在しないため、わたしたちなりの考えを書いていきます。上の3つの問いに対する答えは全て「よりよい社会を実現するため」ということに集約されると考えています。
ただ、技術の発展が本当に”よりよい”社会に向かっているのかもう一度考えてみるとどうでしょうか?
AIやICTは適切に活用されているのか?例えば、ビッグデータを用いて消費者の潜在的な意識に働きかけ、特定の商品を買ってもらうようにするのは正しいと言えるのか?新たな技術を導入する際に、雄大な自然や古き良き文化を破壊していないだろうか?森林を伐採してオフィスや住宅、ショッピングモールなどを建設することはよい社会の実現につながっているか?作業や仕事の効率化を優先させるばかりに、本来そこにあるはずだった人と人の繋がりや人の温かみのようなものを忘れてしまってはいないか?
私たちはどう向き合えばいい?

第4次産業革命がわたしたちの生活を便利で豊かにしていることは間違いないと思います。しかし、技術革新を盲目的に受け入れてしまっては、「技術に使われてしまう」ことにつながるのではないでしょうか?より直接的に言えば、第4次産業革命を生み出している人に搾取されてしまう可能性があるということです。目の前で起きていることを自分の頭で考え、じっくりと見つめることでそのものが持つ善悪の二面性に気付き、自分が取るべき行動が見えてくるのかもしれません。
第4次産業革命とSDGs
過去の産業革命から何を学ぶ?
ここまでは第4次産業革命の意義について考えてきました。技術革新だけでなく、何事も無批判に肯定することがどのような結果をもたらすのかについては、歴史上の出来事をみても容易に想像することができると思います。
物事には常に善悪の両面が存在しています。まずはそれらを適切に知ることが重要ではないのか?というのがここまでの議論でした。
では、わたしたちはこれからの文明の発展をどのような基準で判断する必要があるのでしょうか?
これからの未来について議論するためには、過去の歴史を振り返ることが多少なりとも助けになるでしょう。そこで、歴史上の文明の発展を振り返ってみましょう!特にここでは、産業革命に焦点を当ててみます。
18世紀後半にイギリスで始まった第1次産業革命では、軽工業の機械化が行われました。蒸気機関も登場し、「世界の工場」とも言われるようになるほど経済は発展しました。しかしその一方で、都市部に人口が集中したり、児童労働や疫病などの問題が発生したりしました。

19世紀後半からの第2次産業革命では、石油や電気をエネルギー源として重化学工業が発達しました。ガソリンエンジンや無線通信が発明され、交通網や通信網が人々の生活に浸透し、便利な社会になった一方で、資本の独占・集中が進みました。この産業革命はさらに、アメリカやドイツなどが工業製品の原料や市場を求めて植民地を拡大する帝国主義のきっかけともなります。
20世紀後半に始まった第3次産業革命では、コンピューターによる単純作業の自動化や原子力エネルギーの活用、インターネットの発達によって生産性が大きく向上しました。その一方で、労働者の雇用をロボットが代替したことによる失業率の増加や、2011年の東日本大震災などで原子力エネルギーの危険性があらわになるなど、産業の発展に伴うリスクが見つめ直されるようになったと言えると思います。

そして、現在進行中の第4次産業革命は、AIやIoT、ビッグデータの活用が注目されています。今後の産業界がどうなっていくかは、未知数ですが、仮想通貨やメタバースなどの新たな仕組みやビジネスモデルが考えられ、今まで以上にイノベーションが加速していくとも考えられるでしょう。

以上のことを踏まえると、第4次産業革命はどうあるべきなのか?これからの技術革新や発展の基準をどう定義するべきか?について考えることが重要だと言えるのではないでしょうか。
失敗から学ぶ
これまでの産業革命を振り返ると、「こうすれば上手くいく」のような成功の法則を定義することは難しいと考えられます。何より、過去と現在とでは状況が異なります。だから、過去の成功事例をそのまま現状に当てはめてもうまくいくかは未知数です。特に、第4次産業革命は不確かな時代だと言われています。これまでの価値観と同じようには物事は進まず、何が起こるかは不確実なのです。
その一方で、「こうしたら失敗する」といった類の学びはより実践的ではないでしょうか?これまでの産業革命においても、技術革新が自分たちにもたらす悪影響を学ぶことができると思います。それらを、現在の第4次産業革命の枠組みに当てはめることで、物事の良い面ばかりではなく悪い面についても把握し、同じ過ちを繰り返すことはなくなるでしょう。よく”失敗を恐れるな”といった教えを聞きますが、それは失敗の経験こそが重要な学びであるからです。
わたしたちは技術革新や発展について考える際の基準として「拝金至上主義からの脱却」を考えています。お金が最も重要なものであるとする「拝金主義」が、現在の地球温暖化や自然破壊、格差拡大に及ぼす影響は無視できません。
SDGsとは?

しかし、「こうしたらダメである」ということだけを言うのは簡単ですし、建設的な議論になりません。ここで、”SDGs”という言葉を導入したいと思います。”Sustainable Development Goals”、つまり「持続可能な開発目標」は現在のわたしたちにとって、地球にとって成し遂げられるべき目標です。SDGsの中にはもちろん拝金主義的な要素は存在しません。
なぜSDGsが重要なの?
現在は多くの場所でSDGsという言葉を聞くようになっていると思います。それは、SDGsの重要性がより様々な分野で認識されるようになってきたことの裏返しではないでしょうか?そして、SDGsというのは、これまでの過去から離れて、理想や目標から逆算して今やるべきことを考えているものです。これこそが、不確かな時代を生きる私たちに必要な考え方なのではないでしょうか。経済的な発展と持続可能な社会はよく対立すると言われます。SDGsを追求することで、そのアンビバレントな二つの中で誤った判断をすることはなくなっていくでしょう。
だからこそ、「SDGsに貢献しているか」というのは文明の発展や技術革新を判断する一つの基準となるでしょう。もちろん、SDGsに貢献するものすべてが良いとは限りません。しかし、SDGsがよりよい社会の実現に貢献するものであるからこそ、第4次産業革命という時代の転換期には常に心に留めておく必要があると思います。

わたしたちに求められるものとは
SDGsに貢献する行動って?
ここまで、わたしたちは技術や文明の発展に際してSDGsに貢献するかという基準が考えられるのではないかと考えてきました。しかし、「そんなたいそうなことをわたしたちが考えても何かが変わるわけじゃないでしょ!」というのが多くの人の率直な意見ではないでしょうか。しかし、第4次産業革命に直接かかわることのないわたしたちでもここまでの議論に意味を見出すことはできると思います。
第4次産業革命がSDGsに貢献してよりよい社会の実現を目指すものであるとすれば、わたしたちは第4次産業革命とは別の部分でSDGsに貢献することで第4次産業革命と同じ役割を担っているといえるのではないでしょうか?
つまり、わたしたちは日常の生活からSDGsにつながる行動を起こすことができるということです。 具体的な行動として、以下のようなものがあげられます
- 買い物の際にビニール袋をもらわない
- 節電・節水を心がける
- 食べきれる量を作る・注文する(食品ロスをなくす)
- 値段が高くてもフェアトレード商品や環境に配慮された商品を選ぶ
- いじめや差別に対して助けの手を伸ばす
どうでしょうか?上記のような行動はわざわざ書かなくてもみなさん考えることができるのではないでしょうか。「自分一人の行動で何も変わらないよ!」「いちいち面倒だし、そんなこと自分には関係ない!」って思う人も多いと思います。実際、わたしも少し前までは「SDGsなんて自分には関係ない」と考えていました。しかし、SDGsがこれからわたしたちが生きる社会にとって重要な達成目標であり、些細な行動でもSDGsという壮大な目標の達成に貢献しているということを自覚すると、少し行動を見直そうという気になりませんか?

2030年の未来を担うのは私たち!

SDGsは2030年までに達成するべき目標として国連総会で採択されたものです。このままで10年もない近い将来にSDGsの目標がすべて達成されていると思いますか?貧困・飢餓がなくなり、質の高い教育や水、トイレがすべての人に行き渡り、あらゆる不平等が存在しない平和な世界が2030年に訪れるでしょうか?
2030年の世界を担うのは、この記事を読んでいるあなたです。全ての人が当事者意識を持つ必要があります。 もっと言えば、10年後の自分がどのように生きているのかというのは、SDGsがどれだけ達成されているかということと関連してくるでしょう。2030年を平和で住みやすいものにするのかどうかは、あなたの行動にかかっているのです。
長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。わたしたちの率直な思いを綴ってみましたが、どうでしょうか?否定的な意見から肯定的なものまで、多様な意見があると思いますが、それはそれでよいと思っています。大事なことは、より多くの人が今回のようなトピックについて考え、自分の意見を持つことです。