2025/09/30 ★環境と美を融合、NIKKOのオリジナル食器が豪華客船「飛鳥Ⅲ」を彩る★

【クルーズニュース】

陶磁器メーカーのNIKKO(ニッコー株式会社)は、2025年7月に就航予定の新造クルーズ船「飛鳥Ⅲ」にオリジナル食器を納品することを発表しました。
飛鳥Ⅲは日本船籍として最大級の客船で、LNG燃料対応やダイナミック・ポジショニング・システム、陸上電源利用などを導入し、環境性能を重視しています。
こうしたコンセプトと、NIKKOが掲げる「サステナブル社会への貢献」という理念が合致したことが背景にあります。
NIKKOは創業117年の歴史を持ち、石川県の自社工場で原料調合から製造・出荷まで一貫生産を行う体制を確立しています。代表的な「NIKKO FINE BONE CHINA」は骨灰含有量約50%を誇りながらも、強度・白さ・薄さを兼ね備えた高品質素材であり、技術力の高さを示しています。また、使用済み食器を肥料化し農作物へ循環させる「BONEARTH®」技術を確立し、循環型経済を体現しています。

今回納品される食器は、船内の6つのレストランや9つのバー&ラウンジ、客室で幅広く使用されます。デザインは船内アートとの調和を重視し、日本画家・平松礼二や土屋禮一の作品を転写技術で器に再現。さらにソーサーには「飛鳥Ⅲ」の揮毫を取り入れ、空間全体に統一感をもたらしています。
この取り組みは、単なる食器提供にとどまらず「環境対応」「芸術性」「高品質」を融合させた事例であり、サステナブルなラグジュアリーを支える象徴的な試みです。同時にNIKKOブランドの価値を高め、国際舞台で日本のものづくりの力を示す意義ある協業といえるでしょう😄☘️


〇LNG燃料対応
LNG燃料とは、船舶や発電設備などが従来の重油ではなく液化天然ガス(LNG)を燃料として使用できる設計を指します。LNGは硫黄酸化物をほぼ含まず、二酸化炭素や窒素酸化物の排出量も重油に比べて大幅に削減できるため、環境負荷低減に有効です。国際的な環境規制強化に対応する手段として注目され、クルーズ船を含む大型船舶で採用が進んでいます。

〇ダイナミック・ポジショニング・システム
ダイナミック・ポジショニング・システム(DPS)は、船舶が風や潮流の影響を受けても、錨を下ろさずに自動でその場に留まる技術です。GPSやジャイロコンパス、スラスターなどを組み合わせて位置を制御し、海底工事や調査、寄港地での停泊時に活用されます。環境面では海底の損傷を防ぎ、自然保護に寄与する点も重要な特徴です。

〇骨灰とは?
ボーンチャイナに用いられる骨灰(ボーンアッシュ)は、牛の骨を焼成して得られるリン酸カルシウムを主成分とした素材で、磁器に白さや透明感、強度を与える重要な役割を果たします。従来は食肉産業の副産物として発生する骨を再利用することで資源の有効活用につながっており、廃棄物削減の観点からもサステナブルな素材といえます。さらに、近年は使用済みボーンチャイナを粉砕し、肥料として農業に還元する技術も開発され、食器から農作物へ、再び食材へと循環する仕組みが実現しつつあります。これにより、骨灰は美しさと機能性だけでなく、循環型社会の実現に貢献する存在となっています。

NIKKO社プレスリリース

NIKKOのサステナビリティの取り組み

BONEARTHについて

#飛鳥III #サステナブル #豪華客船 #CruiseNews #NIKKO #日本のものづくり #4thWAVE