「責任ある旅行者」になるには?持続可能な観光の楽しみ方

 

未来を旅する私たちへ 

近年、旅行のスタイルにも変化が訪れています。環境問題や社会問題への意識が高まる中、旅先でもその影響を考え、責任ある行動をとる「責任ある旅行者」が求められています。 

UNWTO(国連世界観光機関)も「責任ある持続可能な観光」を促進しており、旅行者一人ひとりの行動が、より良い未来を創造することにつながると提唱しています。 

では、「責任ある旅行者」とは具体的にどのような行動をとるべきなのでしょうか?持続可能な観光を楽しむにはどうすれば良いのでしょうか? 

 

持続可能な観光とは? 

Back side of Young Asian traveling women walking and looking in

持続可能な観光とは、その土地の自然環境や文化、地域社会を尊重し、未来へ受け継いでいくことを目指す観光のあり方です。 

自然を壊したり、地域住民とのトラブルを起こしたりするような観光は、持続可能な観光とは言えません。近年よく取り上げられる「オーバーツーリズム」も、その悪い例の一つです。持続可能な観光には、観光業の適切な運営に加え、旅行者が環境保護に配慮し、地域経済に貢献するなど、責任ある行動をとることが必要です。

 

なぜ持続可能な観光が重要なの? 

「観光公害」と書かれたニュースの見出し

持続可能な観光は、地球全体の未来にとって重要です。 

例えば、ある湖畔のレストランの例を考えてみましょう。 

美しい自然を楽しむことができる小さなレストランは、人気が出ると収益を上げるために規模を拡大し、次々と新しい店舗を建設しました。するとその地は観光地として盛り上がり、多くの観光客が訪ねるようになりました。しかし、その過程で自然破壊が進み、観光客によるゴミのポイ捨て問題も発生してしまいます。そのような盛り上がりは、一時的なものである場合が多いため、次第に人気が低下していきます。そうなると、その地は観光地としての経営が成り立たなくなり、それにより失業者が出て、地域経済も衰退してしまいました。 

これは、短期的な利益を追求した結果、長期的な視点で観光資源の価値を失ってしまった例です。 

持続可能な観光は、このような事態を防ぎ、観光地と旅行者、双方にとってより良い未来を実現するための鍵となります。その実現のために、我々は「責任ある旅行者」を目指すべきなのです! 

責任ある旅行者になるための5つの行動指針 

では、実際に「責任ある旅行者」になるために、具体的にどのようなことをすればよいのでしょうか。下に、そのための5つの行動指針と具体的な行動をまとめました。 

  1. 環境に配慮する
    • ゴミを減らし、リサイクルに協力する 
    • 水や電気を節約する 
    • 環境保護に貢献している施設を選ぶ 
  2. 地域社会・経済に貢献する
    • 地元の商店を利用し、地域経済を活性化させる 
    • 地域の文化や習慣を尊重する 
    • 地域のボランティア活動に参加してみる 
  3. 違法行為をしない
    • 動植物の違法取引や盗掘などに関わらないようにする 
    • 文化財を傷つけないようにする 
  4. 安全に配慮する
    • 旅行先の安全情報を確認する 
    • 無理なスケジュールを避け、体調管理に気を配る 
  5. 旅を計画する
    • 環境負荷の少ない交通手段を選ぶ 
    • 環境保護に取り組んでいる宿泊施設を選ぶ 
    • 観光客が多くない行き先を選ぶ 
 

責任ある旅行者として、持続可能な観光を楽しみましょう 

責任ある旅行者になることは、難しいことではありません。 

一人ひとりが意識し、小さな行動を積み重ねることで、持続可能な観光を実現し、より良い未来を創造することができます。 

さあ、責任ある旅行者として、持続可能な観光に出かけましょう!