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衆議院選挙・静岡4区からみる清水港

TBS NEWS DIGより引用
TBS NEWS DIGより引用

清水港のこれからを考える:クルーズ観光と持続可能な成長

選挙で浮かび上がった、清水港をめぐる論点

2026年の衆議院総選挙を前に、静岡4区では「清水港をどのように活用していくか」が大きな注目テーマとなっていました。清水港は、静岡県内で唯一の国際拠点港湾として長年物流を支えてきましたが、近年はクルーズ船の寄港が増加し、観光の玄関口としての役割も強まっています。2025年には寄港回数が過去最多の105回を記録し、約16万人のクルーズ客が清水港を訪れました。こうした流れを地域のにぎわいにつなげようと、地元企業によるものづくり体験をクルーズ客向けツアーに組み込むなど、新たな取り組みも始まっています。

一方で、「港に到着した後の観光ルートが分かりにくい」「港周辺に立ち寄れる場所が少ない」といった課題も指摘されており、港周辺の整備や受け入れ体制の充実は今後の大きなテーマとされています。この清水港の将来像をめぐり、静岡4区に立候補した4人の候補者は、国際研究拠点としての発展、観光施設やインフラの充実、清水の歴史や文化を発信する施設整備、駅前再開発や新スタジアム構想など、それぞれ異なるビジョンを示してきました。清水港の持つ大きなポテンシャルを、どのようにまちの魅力として育てていくのかが、選挙を通じて問われていました。

その結果、2026年の衆議院総選挙・静岡4区では、自由民主党の深沢 陽一氏が87,880票を獲得し、得票率51.7%で当選しました。一方、国民民主党の田中 健氏は小選挙区では当選に至りませんでしたが、61,791票を獲得し、比例代表ブロックにより議席を確保しました。

このように、衆議院選挙を通して見えてきたのは、「清水港をこれからどんな存在にしていくのか」という、意外とシンプルで、でもとても大きな問いでした。クルーズ船の寄港が増え、人の流れが生まれる一方で、そのにぎわいを“その場限り”で終わらせるのか、それとも地域の未来につながる形へ育てていくのか。今、清水港のあり方そのものが問われています。観光の数字や経済効果だけでは測れない、まちの暮らしや文化、そしてこれから先の世代との関係性まで含めて考える必要があるのではないでしょうか。こうした視点を出発点として、CruiseWorld🄬は清水港を拠点としたクルーズ観光を改めて見つめ直し、「持続可能な成長」とは何かを考えていきます。

清水市におけるクルーズ観光を再考する

CruiseWorld🄬から見た持続可能な成長とは

 

清水港を拠点としたクルーズ観光が拡大する中で、いま問われているのは「どれだけ人を呼び込めるか」ではなく、「その成長をどのように導いていくか」という点です。

CruiseWorld🄬では、観光の成長を経済効果だけで測るのではなく、地域社会やアイデンティティを支え、長期的に持続可能な形で成立させることが重要だと考えています。

まず大きな課題となるのが、観光客の動線と滞在エリアの偏りです。クルーズ客の行動は限られたルートに集中しやすく、人や消費が特定の場所に偏る傾向があります。交通インセンティブの設計や、テーマ性を持った回遊ルートの整備、分かりやすい情報発信を行うことで、港周辺にとどまらず、地域全体へと人の流れを広げる可能性があると考えます。

クルーズ観光はまた、クルーズ船運航会社、行政、交通事業者、そして地元の飲食店・宿泊施設・小売店など、多様なステークホルダーが関わる産業です。これらが連携することで、都市開発はインフラ整備にとどまらず、新たな価値創出の場となります。

CruiseWorld🄬は、こうした環境が、県内外からのスタートアップや新規事業の参入を後押しし、観光・物流・テクノロジー・地域産業をつなぐ可能性を持つと考えています。これは SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」 にも通じる視点です。

経済面では、クルーズ旅行客の支出構造の変化も重要なポイントです。食事、飲料、その他サービスへの支出が増える中で、新たなサプライチェーンや運営システムの構築が求められます。ここで鍵となるのが「地産地消」の考え方です。地域で生産されたものを地域で消費するモデルを成立させるためには、来訪者の需要や消費タイミングに関する正確なデータが不可欠です。データに基づいた仕組みが整えば、観光は単なる売上拡大ではなく、質の高い雇用や安定した経済活動を生み出し、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」 に貢献する可能性を持ちます。

交通システムもまた、持続可能な観光を支える重要な要素です。観光客だけでなく、地域住民にとっても使いやすい移動手段や新しい動線を整えることで、観光インフラは日常の都市機能としても価値を持ちます。港と市街地を自然につなぐ仕組みは、観光客の分散と地域の利便性向上の両立につながります。

文化的な持続可能性も忘れてはなりません。清水の地場産業や食文化、歴史は、単なる観光資源ではなく、地域の暮らしそのものです。これらをどのように魅力として発信しながら、本来の意味や価値を損なわずに守っていくのか。成長とは、何かを置き換えることではなく、既存の価値の上に新しい層を重ねていくプロセスであるべきだと考えます。

さらに、観光におけるSNSの影響力も無視できません。観光客の発信が将来の訪問者を呼び込む一方で、急激な人気が地域に負荷を与える可能性もあります。そのため、持続可能な観光地経営には、流行に後追いするのではなく、意図を持って魅力を伝える「能動的なストーリーテリング」が求められます。

CruiseWorld🄬 にとって、持続可能な観光とは、利益だけを追求するものではありません。明確なアイデンティティ(USP)を保ちつつ、観光が社会全体にとって意味のある存在であり続けること。そのための調整と対話を続けていくことが重要だと考えています。

ここで、私たちは読者の皆さまに問いかけたいと思います。

持続可能な観光とは、あなたにとって何でしょうか。

清水市は、クルーズ観光地として成長しながら、自分らしさを保つことができるのでしょうか。短期的な利益ではなく、長期的な社会的価値を重視した仕組みを築くことは可能なのでしょうか。

その答えは、政策やインフラだけでなく、私たち一人ひとりの選択と対話の中にあると、CruiseWorld🄬は考えています。

清水は、このバランスを実現できるのでしょうか。
そして、その未来に、私たちはどのように関わるべきでしょうか。

引用:

TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2441411?display=1

読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/YA22XXXXXX000/004/

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